ビジネスやプロジェクト管理の現場で、納期やスケジュール調整に頭を悩ませていませんか?Googleスプレッドシートの「WORKDAY.INTL」関数を使えば、休日や特定の曜日を除いた「営業日」を簡単に計算できます。
通常の「土日休み」だけでなく、業界特有の定休日やシフト勤務、さらには国際的な祝日設定にも柔軟に対応できるのが特徴です。
この記事では、WORKDAY.INTL関数の基本構文から実践的な活用例、注意点までを徹底解説します。使いこなすことで、プロジェクトの納期計算やシフト管理がぐっと楽になりますよ。
WORKDAY.INTL 関数とは?
WORKDAY.INTL関数は、Googleスプレッドシートで指定した開始日から、指定した営業日数だけ先(または過去)の営業日を計算してくれる便利な関数です。
週末の曜日を柔軟に設定できる点が特徴で、土日以外の曜日を休日扱いにしたり、週1日だけ定休日を設定することも可能です。例えば、飲食店のように水曜日が定休日の場合や、国際ビジネスで現地の休日を除外したスケジュール調整を行う際に役立ちます。
祝日リストを指定することで、繁忙期の計算やイレギュラーな休暇にも対応でき、より実務に即したスケジュール管理ができます。
WORKDAY.INTL関数の基本構文と引数
WORKDAY.INTL関数の構文は以下の通りです:
=WORKDAY.INTL(開始日, 日数, [週末], [祝日])
各引数の役割を順番に見ていきましょう。
- 開始日(必須): 計算を開始する日付を指定します。シリアル値や日付形式のセル参照(例:DATE(2025,6,4))が使用できます。
- 日数(必須): 計算したい営業日数を指定します。正の値で未来の日付、負の値で過去の日付を計算します。
- 週末(任意): 除外する曜日を設定できます。数字コード(1~17)か7文字の文字列(”0000011″ など)で指定します。例えば、”0000011″は土日を週末と見なします。
- 祝日(任意): 計算から除外したい日付のリストをセル範囲や配列で指定します(例:C1:C10など)。
これらの引数を組み合わせることで、柔軟な営業日計算が可能になります。
WORKDAY関数との違い
よく似た関数に「WORKDAY関数」がありますが、この関数は週末を土日と固定しており、週末設定を柔軟に変更することができません。
一方でWORKDAY.INTL関数は、週末の曜日を自由にカスタマイズできる点が最大の違いです。例えば、シフト勤務や国・地域によって休みが異なる業務では、WORKDAY.INTL関数が重宝されます。
週1日だけ定休日を設けたい場合や、特定の曜日(例:水曜日のみ)を週末扱いにするなど、ビジネスの現場で多様なシーンに対応できます。
WORKDAY.INTL関数の使い方
ここでは、実際にWORKDAY.INTL関数を使って営業日を計算する方法をいくつかの例でご紹介します。
例1: 基本的な使い方(土日休み、祝日なし)
A1セルに2025/6/4、B1セルに10(営業日数)を入力した場合:
=WORKDAY.INTL(A1, B1)
この式を入力すると、2025年6月4日から10営業日後の日付(土日を除く)が求められます。
例2: 週末を月曜日と火曜日に設定
月曜と火曜が週末扱いの場合は、7文字の文字列で「0110000」と指定します。
=WORKDAY.INTL(A1, B1, "0110000")
この式を使えば、月曜・火曜を休日として計算できます。
例3: 祝日を指定して計算
祝日リストをC1:C2セルに入力し、その範囲を指定します。
=WORKDAY.INTL(A1, B1, 1, C1:C2)
これで土日と祝日リストの両方を除外した営業日を計算できます。
WORKDAY.INTL関数の実践での活用例
WORKDAY.INTL関数は、実務のさまざまな場面で大活躍します。例えば、プロジェクトの納期計算では、タスク開始日から必要な営業日数を加算することで、完成予定日をスムーズに算出できます。
シフト勤務の従業員の次回出勤日を計算する際にも、特定の曜日や祝日を除外して柔軟に対応可能です。また、請求書の支払い期限を「営業日ベース」で計算する際にも重宝します。イベントスケジュールの調整でも、実働日数だけをカウントして進行管理を効率化できます。
特に海外業務で各国の祝日や休日を加味した計算が必要な場合には、国際的なビジネススケジュールの調整が容易になります。
WORKDAY.INTL関数の注意点とエラー回避のポイント
WORKDAY.INTL関数を利用する際には、いくつかの注意点があります。
まず、開始日や祝日引数はGoogleスプレッドシートが正しく日付として認識できる形式である必要があります。文字列として認識されるとエラー(#VALUE!)が発生しやすいため注意が必要です。
次に、週末の指定で7文字の文字列を使う場合、必ず「0」と「1」のみを使い、文字数が7文字であることを確認してください。誤った文字列や桁数でエラー(#NUM!)が出ることもあります。また、営業日数の引数は数値のみ使用でき、誤って文字列や空欄が指定されるとエラーになります。
計算式が循環参照にならないようにすることも大切です。もしエラーが出た場合は、引数やセル参照を一つずつ確認して、祝日リストに不要な文字列が混じっていないかもチェックしてみてください。
WORKDAY.INTL関数が役立つシーン
WORKDAY.INTL関数は、ビジネスの多様なシーンで大きな力を発揮します。
例えば、サービス業や製造業などで「土日以外の曜日を定休日」として設定したい場合、週末引数を柔軟に調整できるので便利です。
また、国や地域によって祝日が異なる場合でも、祝日リストを設定すれば正確な営業日計算が可能です。シフト制で働く従業員のスケジュール管理にも役立ち、休日や振替休日を考慮して勤務日を算出できます。
さらに、プロジェクト管理で厳密な期日管理が求められる場合にも、営業日ベースで確実なスケジュール調整ができるので安心です。つまり、さまざまな業種や業務で活用できる万能な関数といえるでしょう。
まとめ
WORKDAY.INTL関数は、開始日から指定した営業日数を柔軟に計算できるだけでなく、土日以外の週末や祝日リストまで考慮できる点が最大の魅力です。
実務での納期管理や請求処理、シフト管理、国際的なスケジュール調整など、さまざまなシーンで役立ちます。ぜひ一度試してみて、スケジュール管理の効率化に役立ててみてください。
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